【帯広市】ビート資料館(No.043)

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 色々と更新のペースが遅くなっている為、施設の情報とか施設の概要のみご案内している場合があります。詳しくはお知らせをご覧下さい。

 博物館とか資料館とか記念館とか巡りが大好きな中の人がお送りする、地元北海道内の博物館とか行ったメモ。
 第四十三回目は「帯広(おびひろ)市ビート資料館」です。

 まだ雪が残っていた時期なので冬囲いされていますが、夏には木々に囲まれており建物のレンガ色と相俟ってなんとも良い感じの雰囲気になります。

施設情報

施設名:帯広市ビート資料館
場所:〒080-0831 北海道帯広市稲田町南8線14
URL:https://www.sugarbeets-museum.com/
休館日:月・火曜日他
開館時間:9:30~16:30
料金:300円
必要見学時間:40分

施設概略

 帯広市・・・と言いますか帯広市を内包する十勝地方は酪農も盛んですが農業も盛んで、小麦・大豆や小豆等の豆類・甜菜(てんさい)・芋・その他作物が生産されており、小麦・豆類・甜菜と来ればそれ即ちお菓子の原材料です。そう、あの有名な「高橋まんじゅう屋」や「福いち」を育んだのが、ここ帯広です。
 「六花亭(https://www.rokkatei.co.jp/)」とか「柳月(http://www.ryugetsu.co.jp/)」に関しては今更なので割愛しますが、念の為に申し添えておきましょう。「六花亭」なら「マルセイバターサンド」で「柳月」なら「三方六(メープル味)」が好きです。
  • 本資料館は日本甜菜製糖株式会社(https://www.nitten.co.jp/)の創立70周年を記念して、日本甜菜製糖の製糖事業について詳しく説明されています。
  • その時の同時来館者数にもよりますが、館長さん自らが色々と説明して下さるそうです。
  • 1Fは当時の製糖所のリアル模型、映像ホール、レア資料の閲覧コーナーです。
  • 2Fは製糖技術に関する展示と、昭和天皇の行幸に関しての展示、日本甜菜製糖の歴史が展示されています。

1F・エントランスホール

 北海道民なら馴染みのある、スズラン印のお砂糖です。館長さんに「何でスズランなの?」と訊いたところ「一般からの公募で選ばれたけどその詳細は不明(要約)」との回答を頂きました。社史とか調べても判らなかったんですって。
 あと、この館長さんは全てのデータが頭に入っているみたいで、どうやら館長さんが資料館の本体みたいです。

 ステンドグラスが眩しいホールです。右側に映像ホール、左側に資料コーナーがあります。

1F・展示室

 こちらの昭和48年(1968年)製の二輪車は技術指導等で農家さんを尋ねるのに使用したらしいです。レストアしたのでしょうけれど、それにしても綺麗ですね。

 創業時の帯広製糖所の1/70スケールの模型です。

 上から。この建物は、内部に設置された機械も含めて全てアメリカのダイヤー社が設計されたそうです。煙突から続く建物がボイラー室で、手前の左側が倉庫、右側が本工場(5階建て部分が本工場・4階建て部分がパルプ工場)との事でした。

 製糖工場の内部です。この巨大模型は過去に札幌市真駒内(まこまない)で開催された北海道博覧会に出品していたそうです。流石に動く事はしませんが、出品当時は各所が光ったらしいです。奥まで作り込まれていてステキ(※心霊写真注意)。

 このガラスケースには、当時に使われていた道具類が収められていました。

 ここは主に輸送用の鉄道に関する展示と、マニアックな資料コーナーです。

 左側が鉄道グッズ、右側が甜菜グッズです。
 元々は甜菜輸送の為に線路が敷設されたらしいのですが、後に一般の旅客貨物として十勝鉄道が誕生したんですって。大正8年(1919年)には初期の4kmが完成し、大正13年(1924年)から旅客輸送を開始、昭和52年(1977年)に終了したそうです。

 社史を始めとし、地域の郷土史、アルバム等々が閲覧出来るコーナーです。

2F・展示室/技術の歴史

 ここは甜菜から製糖する技術に関するコーナーです。三方の壁には甜菜の収穫が秋から始まるのに合わせて秋・冬・春と、収穫から加工までを写真等で説明されており、残る一面では映像が流れています。

食欲の秋

 秋です。ここでは収穫された甜菜から糖分を抽出する工程で、工場に搬入→洗浄→裁断→抽出までの一連がムービーで紹介されています。

 こちらがドイツが開発した巨大な「連続式滲出(しんしゅつ)塔」と呼ばれるマシーンで、細かく裁断した甜菜から温水を利用して糖分のみを抽出するそうです。斜めになっているパーツは人が上下する為の階段でして、それでこのマシーンのサイズがご理解頂けるかと思います。世界一ィィィィーーーーッ!

 尚、搾りかすは家畜飼料になるとの事で、これを「ビートパルプ」と呼ぶそうです。

食欲の冬

 ここから冬のコーナーで、抽出された糖分からお砂糖が出来るまでが説明されています。

 お砂糖の種類によって異なるらしいですが、糖分の抽出→清浄→精製→濃縮→結晶化→分蜜→乾燥→包装と、様々な工程を経てお砂糖になるみたいです。複雑なんですね・・・。尚、「清浄」とは抽出された糖分以外のモノを取り除く工程で、「分蜜」とはお砂糖と糖蜜を分ける工程との事でした。

食欲の春

 春のコーナーです。ここでは様々なお砂糖一覧と、甜菜の苗の植え付けについて展示されていました。

 ザラメってこんな漢字だったとは。

 こちらは日本甜菜製糖が開発した「ペーパーポット®」と呼ばれる秘密道具で、本来であれば土中に種子を蒔いて苗を栽培するのですが、そのままだと根が分岐して隣の苗と絡み合って収穫の際に手間隙が掛かったり使えなくなったりするんですって。苗と苗の距離を離せばこの現象は解消されるのでしょうけれども土地は無限ではないですし一反辺りの収穫量を増やせば収益に繋がりますので、試行錯誤の末に苗を独立させる為の内部がハニカム状になっている紙筒を昭和36年(1961年)に開発されたとの事です。それがこの「ペーパーポット®」です。
 尚、この紙筒による栽培の原案は西ドイツの文献を参考にされたそうです。世界一ィィィィーーーーッ!

 広げる前はこんな感じです。甜菜以外にも使用されているので種類が豊富です。お買い求めや製品情報はニッテンペーパーポット(http://www.paperpot.jp/)からどうぞ。

食欲の夏

 夏のコーナーでは三種類の映像(甜菜の起源・砂糖の製造工程・ビートパルプ工程)が流れていました。

中央展示

 展示室の中央には関連する展示物がありました。

 これは大正末期から昭和初期頃に掛けての、甜菜の収穫のジオラマです。まぁ手作業なのは当たり前なんですが、現代も機械化が進んだとは言え大変なのは変わらないですね。

 北は北海道から南は沖縄までとかではなく、北海道と九州・沖縄だけなんですね・・・。尚、甜菜は寒い地域で、サトウキビは暖かい地域なんですって。

 震えるのはハート。燃え尽きるのはヒート。刻むのはビート。そしてこちらが収穫された甜菜(ビート)です。そうか、だから収穫されてからビート(甜菜)を細かく裁断するのか・・・。

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