【函館市】北方民族資料館(No.061)

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 色々と更新のペースが遅くなっている為、施設の情報とか施設の概要のみご案内している場合があります。詳しくはお知らせをご覧下さい。

2F・展示室5

 展示室5では「あそびの世界」と題して、アイヌの子供達の代表的な遊びについて展示されていました。

 中央の木の枝と輪は「カリプ」と呼ばれる「輪投げ」ならぬ「輪受け」で、蔓を曲げて作った輪を枝で相手サイドに放り投げ、相手は輪を枝で受け止めると言った中々に高度な遊びとの事でした。詳しくは札幌市ウェブサイト(https://www.city.sapporo.jp/shimin/pirka-kotan/jp/kogei/karip/index.html)をご覧下さい。
 前述の札幌市のウェブサイトにも書かれていますが、遊び道具を作る、それで遊ぶ、その一つ一つの行為に、生きる為の技術、知恵、工夫を学ぶそうです。そう考えると、ゲームばかりで遊んでいても創意工夫と言う概念は生まれ難いかも知れませんね。サバイバル技術とまでは言いませんけど、自分の手で何がしかの加工を行って形作るのは大切だと思います。
 経験から学ぶ事って多いので、例えばジャングルジムの上で飛び跳ねたら足を滑らせて性別が変わりそうになるとか、例えば崖から自転車で飛んだら木に引っ掛かるとか、例えば橋の欄干の上を自転車で渡ろうとすると川に流されるとか、例えば急な坂道において減速しないで自転車を運転したらガードレールを強烈な衝撃と共に乗り越えるとか、そう言った貴重な経験を数多く乗り越えて大人になる訳です。

 当時は頭がどうにかなっていたのでしょうね。

 3人で足を組み、それぞれが引っ張り合って転んだ人が負け、と言う遊びとの事です。お尻がキュート。

 ロープを海の波に見立てて左右に揺らし、中央の木を上手に飛び越える遊びとの事です。失敗したら脛が痛む様な・・・。

 なんで全裸ですの・・・。
ノーカット版はこちら(R18)

(*ノェノ)キャー

2F・展示室6

 展示室6では「アイヌ民族の先駆者たち」と題して、我らが松浦武四郎先生を始めとして、北海道の探検・探索の歴史が展示されていました。

 江戸時代の地政学者(?)の林子平(はやし・しへい)氏が天明5年(1785年)に書いた「三国通覧図説(さんごくつうらんずせつ)」の内の、北海道に関するページです。
 手前が本州で奥が北方領土らしいんですけど、そう考えると僅か36年後の文政4年(1821年)に伊能忠敬氏が測量・発行した地図の完成度が如何に高いのかが解ります。

 北海道周辺に特化した珍しい年表です。
 蝦夷について初めて文献に登場したのは延文元年(1356年)との事でした。その後、暫くは海外の探検家による蝦夷に関する報告が続き、享保5年(1720年)に蝦夷志(えぞし)と呼ばれる北海道周辺に特化した書籍が登場したそうです。蝦夷から北海道に名称が変わったのは戊辰戦争が終わった明治2年(1869年)です。

 北方の見聞録となると東方見聞録と変換されて、ファミコンの東方見文録しか思い浮かばなくなるんです。崖から落ちて頭を強く打った影響かも知れません。

 ※参考動画(主人公は東方見文録(とうほうけん・ぶんろく)です)

 何回も書いていますが、本施設は日本銀行函館支店の建物を使用しており、その当時の面影が随所に残されています。天井の装飾の見事な事・・・。ここは元は支店長室だったそうで、隣の応接室と並んで豪華さが際立ってますね。

 壁のタイルも高級品らしいのですが詳細は掴めていないとの事でしたので、タイルに詳しくて仕方が無い方は館長までご連絡を。

 現代のとは形状がやや異なりますが、ドアをゆっくり閉める為のドアクローザーです。これも詳細が掴めていないそうです。恐らく日本ドアーチェック製造株式会社の製品(https://www.e-newstar.co.jp/dc/700/)の旧モデルだと思うのですが。

2F・展示室7

 最後の展示室7では「アイヌ絵の世界」と題して、アイヌ文化に関する絵画が展示されていました。ただ、アイヌには文字と絵の文化はありませんので描いた方は和人だったりしますから、多少のデフォルメが入っていたりするそうです。そりゃ文化の異なる人間の目線で描いたら歪みが生じますよね。
 因みに、こちらの部屋は当時の応接室との事で、こちらも豪奢な造りになっていました。

 これは魂を神の国に送り返す熊送り(イヨマンテ)の絵です。幕府の役人であった村上島之允(むらかみ・しまのじょう)氏が書いた「蝦夷島奇観(えぞしまきかん)」の下巻に解説と共に描かれているそうで、カラー版は函館市中央図書館デジタル資料館>蝦夷島奇観(http://archives.c.fun.ac.jp/fronts/thumbnailChild/reservoir/1810626257)で閲覧が可能です。

 左は生没年不詳の千島春里(ちしま・しゅんり)氏が描いた「山越図」と呼ばれる作品で、右は作者不明の「アイヌ酪酊の図」と呼ばれる作品です。お祭りだったら酔っちゃうよね。

 函館市中央図書館デジタル資料館と函館市立函館博物館デジタルアーカイブでは、他にも様々なアイヌ関連の絵が閲覧出来ます。

2F・休憩室

 最後の方に休憩室が用意されており、アイヌ文化に関するVTRが上映されていました。それと、この部屋で行うのかは判りませんが、アイヌ民族とウィルタ民族の伝統文様の切り紙細工体験が無料で出来るそうです。

「函館市・北方民族資料館」のまとめ

  • 北方民族について理解が深まる。建物自体も必見。
  • ジャンル毎に纏められており、解説も詳しくて面白い。
  • 学芸員の方による解説もある。

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