【羅臼町】知床羅臼ビジターセンター(No.072-1)

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 色々と更新のペースが遅くなっている為、施設の情報とか施設の概要のみご案内している場合があります。詳しくはお知らせをご覧下さい。

 博物館とか資料館とか記念館とか巡りが大好きな中の人がお送りする、地元北海道内の博物館とか行ったメモ。
 第七十二回目の一回目は「羅臼(らうす)町知床(しれとこ)羅臼ビジターセンター」です。併せて、第七十二回目の二回目は本施設の近くにあります「羅臼町羅臼国後展望塔」です。

 悲しい意味で知床の名前が有名になっておりますが、そう言う事を風化させない必要がありますよね・・・。謹んでご冥福をお祈りします。

施設情報

施設名:羅臼町知床羅臼ビジターセンター
場所:〒086-1822 北海道目梨郡羅臼町湯ノ沢町6-27
URL:http://shiretokorausu-vc.env.go.jp/
休館日:月曜日(7~9月を除く)
開館時間:9:00~17:00(季節によって異なります)
料金:無料
必要見学時間:40分
観覧年:2022年
撮影枚数:124枚

施設概略

 数年前の5月頃に吹雪に遭って色々と覚悟した事もありますので、本当にこっち近辺は天候の変化が怖いです。斜里(しゃり)側と比べたら風が強い印象もあります。
  • 知床の自然・歴史・文化について展示されています。
  • 様々なアクティビティに関する情報がリアルタイムで掲示されています。

 羅臼の詳しい郷土資料については、本施設から車で30分程の羅臼町郷土資料館へどうぞ。又、世界遺産については斜里町知床世界遺産センターへどうぞ。

エントランスホール

 ヒグマがこんにちは! いや、マジで知床(北海道全域ですけど)はヒグマの生息地なので普通にこんにちはしますよ。ご注意を。
 この「ルサ~古代からの道~」とは、羅臼町郷土資料館による巡回展示で隣の特別展示室にて観覧出来ました。

特別展示室

 この「ルサ」とは要約するとアイヌ語で「道」と言う意味になり、羅臼側では「ルサ」、斜里側では「ルシャ」と発音するそうです。この「ルサ/ルシャ」を通りアイヌ人が知床半島を横断していたそうで、そこから発掘された遺跡等が展示されていました。

レクチャールーム

 レクチャールームでは約26分の映像でお送りする「知床・羅臼の四季」が観覧出来ます。

情報提供スペース

 知床半島の歴史や自然の情報がふんだんに詰まっており、ビジターセンターと言う名の博物館ですよ。

 知床半島を羅臼⇔斜里と横断する国道334号、通称「知床横断道路」付近から半島の先端までが国立公園に指定されており、その広さは6万haとの事。なるほどねー。全く判らん。でも淡路島よりも大きいみたいです。あと、国立公園の範囲と世界自然遺産の範囲が微妙に異なるのですね。
 昭和39年(1964年)に国立公園に指定されたそうで、平成17年(2005年)に世界自然遺産に登録されたそうです。尚、明治7年(1874年)にはお雇い外国人技師であるベンジャミン・スミス・ライマン氏が鉱物資源の調査に入っているそうです。仕事とは言え大変だ・・・。

知床のなりたち

 ざっくり説明すると北米プレートと太平洋プレートが出会って知床半島が生まれたそうです。又、羅臼岳と知床硫黄山は活火山との事で、直近では羅臼岳が700年前に、知床硫黄山は昭和11年(1936年)に噴火したそうです。
 あと、地形の問題で羅臼には山からも海からもそれぞれの季節に応じて東西南北から強風が吹き付けるそうです。そう言えば吹雪で通行止めになって一時的に陸の孤島になった事もありますよね。冒頭でも触れましたが5月なのに猛吹雪に遭って車を走らせながら走馬灯も一緒に走らせた記憶があります。それ以来、余程の事がない限り羅臼には6月に入らないと行かない事に決めたのです。視界が3mとかもう嫌。

知床の海

 国土地理院の日本周辺海底地質図を眺めてみると、知床半島の先端に近付くにしたがって水深が急激に深くなっていました。
 水深の違いによって様々な生態系があり、流氷によって植物プランクトンが運ばれて海藻類が生い茂っているそうです。又、植物プランクトンを餌にする動物プランクトンも増え、これを餌とする魚類が増え、それを漁師の方々が獲って我々の食卓へ。食物連鎖の展示があるので後で触れますけど、ここだけ切り取って見ても人間は食物連鎖から外れた動物ですよね。業が深い。ご馳走様です。

 流氷で座礁してしまい死亡してしまったシャチの骨格標本との事でした。体長は7.6mで体重は6.6t。デカい。そう言えば枝幸町オホーツクミュージアムえさしでも天井から釣り下げられていました。
 シャチはアイヌ語で「レプンカムイ」と呼ばれ、クジラの肉を届けてくれる「沖を司る神様」なんですって。シャチは捕鯨しますから、余った肉を分けて貰っていたのでしょうね。自然から得られる全てのモノ・コトには神様が宿っていると言うアニミズムは良いですよね。

 優雅に泳ぐトドを中心として海に関する展示がありました。

 北海道には大きく7つの昆布の産地があるそうですが(道民なのにそこまであるのは知らんかった)、有名なのは利尻昆布、日高昆布、そして羅臼昆布です。そんな昆布がお手元に届くまでの23の工程表がありました。手間暇が掛かってますね・・・。詳しくはライブラリーコーナーにある「羅臼昆布図鑑」をご覧下さい。
 あと、北海道は昆布の産地で有名ですが、2019年のデータでは96.1%が北海道産との事でした。全国津々浦々の食卓に上る昆布は北海道産の昆布と思って下さい。あなたが食べている昆布は北海道産です・・・ドーン!

【参考動画】自戒を込めて。

 これらは知床で確認出来る一般的な鳥との事で、他にも珍しい鳥が飛来するそうです。

タマコンニャクウオ

 カロリーは・・・?
 尚、このタマコンニャクウオはカサゴ目でクサウオ科なんですって。カサゴのイメージが全く無く真逆に見えるのですが、きちんと分類されているので縁戚なんでしょうね。それにしても名前・・・。
 本施設では醤油ではなくホルマリン漬けされたタマコンニャクウオが展示されておりましたが、見事にグロかったので動画でご確認下さい。
【参考動画】生きてるの?

知床の川

 知床の川は92本あるそうです。それだけ本数があれば中にはカムイワッカ川みたいに温泉が滝になったりしますよね。ここではトレッキングが出来るみたいですので詳しくはカムイワッカ湯の滝でご確認下さい。

 知床半島の川の一覧です。特に半島の先端近くでは、いきなり滝になって海に注いでいる川もあるそうです。
 又、それらの川にはサケやマスが遡上しているそうで、そう言えば知床付近ではサケ漁が盛んですもんね。尚、サケに関しては知床半島の根元付近にある標津町標津サーモン科学館でどうぞ。チョウザメも待ってるよ!(チョウザメについては美深町美深チョウザメ館へどうぞ)

シマフクロウ

 アイヌ語で「コタンコロカムイ」と呼ばれるシマフクロウですが、森林破壊等の影響で激減しており絶滅危惧種に指定されています。知床半島は国定公園となってきちんと管理されている為、シマフクロウにとっては良好な環境との事で、シマフクロウに限った事ではありませんが出来れば北海道全域でお互いに良好な環境で生活出来ると良いですね。
 シマフクロウは木の洞(ウロ)を巣としていますが、シマフクロウって翼を広げると1.8mクラスらしく、かなり大きい体をしています。なので、その体を収められる木々が必要なんですけど伐採されて巣を作れないそうです。そこで人工的に巣を作り、そこで生活して貰う為の代用品が展示されていました。何か何処かで見た記憶があるなーと思ったら上士幌町ひがし大雪自然館でも展示されておりましたが、早く代用品が不要になると良いですよね。

 ご満悦なのかどうかはこの表情からは読み取れませんでした。

知床の山

 知床半島で一番高い山で1,500mとの事ですが、本州と比べて緯度が高いので本州換算では3,000mクラスに匹敵する環境との事でした。
 又、地形が複雑な為に生育している植物も多様で海岸から山頂に掛けて広葉樹から針葉樹まで幅広く、光合成を行う植物は実に872種類も自生しているそうです。当然、そこに住まう動物や昆虫も多様性に富み、哺乳類では36種類、鳥類では285種類、昆虫類に至っては2,500種類以上も確認されているんですって。

 モフモフ可愛い。

 色々と学べる机があり、引き出しを開けるとクイズ形式で自然について学べます。

 こんな感じで詳しく解説されています。

ヒグマ

 先にも触れた通り、知床には川が豊富にありサケやマスが遡上します。それを餌にする動物も当然生息しており、筆頭はヒグマです。
 世界自然遺産に指定されたので観光客も増え、中にはマナーの悪い人が食べ物を放置したり悪気無く餌付けしたりする事により、ヒグマだけではありませんが動物が人里に近付きます。そうなるとヒグマとのエンカウント率も上がり、お互いに取って良くない結果になる訳です。遠くから見るだけにして近付かない方が良いでしょうね。世の中、こんな可愛いヒグマだけではありませんよ?

 ほら、ビールだってジュース感覚。・・・ジュース?

循環するいのち

 世間一般で入手できる魚のサケ(鮭)は「シロザケ」と呼ばれるそうです。恐らく大半の道民は「シャケ」と呼ぶ筈なんですが、秋頃のシャケは産卵の為に川に遡上します。その際、産卵の為だけに川を上り使命を終えたら力尽きて他の動植物の餌になります。産卵する前は海で餌を食べて脂をエネルギーにして川に戻って来ますが、その頃のシャケを「アキアジ」と呼び、脂が乗ってとても美味しいシャケです。人間でも美味しく感じるんですからヒグマからしたらご馳走ですよ。たまにシャケに逆襲される場合もあるそうですが。
 そんなシロザケの一生を基準とした生命の循環について解説されていました。

 この食物連鎖の図に人間が入れないのは悲しいですが、ここまで人口が増えたら難しいでしょうけど理想論とは言え共存したいですね。

知床で暮らす

 知床は縄文時代には既に人が住み着いており、多数の遺跡が発掘されています。遺跡について詳しくは最寄りの羅臼町郷土資料館でそのヤバさを確認して頂くとして、北海道では縄文時代→続縄文時代→擦文時代へと移りますが、北海道の北端(稚内)から東端(根室)に掛けては樺太等の影響を受けて「オホーツク文化」と呼ばれる特異な文化圏となり、知床を含む根室地方の一部地域では後に擦文文化と融合して「トビニタイ文化」が生まれたそうです。
 その後、全道的にアイヌ文化に移行する訳ですが、和人による搾取に対してクナシリ(国後)のアイヌ人が和人に対して存続を掛けた戦いを挑み、メナシリに済むアイヌ人も同じ思いで賛同しましたが、武力に勝る松前藩に負けてしまいました。これを「クナシリ・メナシの戦い」と呼び、クナシリは「国後」で現在の根室から千島列島で、メナシは「目梨」で現在の羅臼から標津までの地域を指すそうです。尚、アイヌ人による一斉蜂起はこれだけではなく、有名どころでは「シャクシャインの戦い」や「コシャマインの戦い」が挙げられます。アイヌ文化については全道各地で展示施設がありますので、例えば新ひだか町アイヌ民俗資料館とか平取町立二風谷アイヌ文化博物館とか弟子屈町屈斜路コタンアイヌ民俗資料館とか札幌市アイヌ文化交流センター「サッポロピリカコタン」とかでどうぞ。

周辺情報

 本施設では知床半島についての展示が充実しておりますが、ただの展示施設ではなくビジターセンターですので知床の自然に触れる散策についても情報提供されています。
 相手が自然ですので季節によって刻々と状況が変わりますし、昨年と同じ時期だから対策も昨年と同じで・・・とか言って軽い考えで山に入ると軽く遭難しますよ。そうならない為にも本施設を含めたビジターセンターで情報収集を。

間歇泉(かんけつせん)

 本施設から徒歩4~5分程の場所に北海道指定天然記念物の「羅臼間歇泉」があり、10m近くまで吹き上がるそうです。本施設では多少の誤差はあれどもその日の噴出予測時間の目安が掲示されているので、タイミングが合えば間歇泉の噴出を見る事が出来ます。
 あと念の為に書いておきますが、ここら辺は羅臼温泉がある温泉地帯でしてこの間歇泉も沸騰寸前の高温ですからウォシュレット感覚で近付いたらお尻が大火傷しますよ。

ライブラリーコーナー

知床半島の情報から自然に関する書籍がみっちりあります。

 これは羅臼小学校の5年生が「これからも羅臼の海はキレイなのか」をテーマにして作成した「羅臼昆布図鑑」です。生態・環境・宣伝・昆布業の4つのチームで構成されているそうで、30ページ以上から成る渾身の図鑑ですが、残念ながら販売はされていないそうです。このまま販売すれば良いのに・・・。軽く読ませて貰いましたが、当はらわたよりもしっかり作り込まれていて中の人としてはどうしたものかと。

「羅臼町・知床羅臼ビジターセンター」のまとめ

  • 「知床博物館」と言っても過言ではない。
  • 自然に足を踏み入れる前に情報収集が必須。

次回のお知らせ

 次回はこちらをご案内致します。

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